不意にフラッとするなど貧血について悩んでいる女性は多いのではないでしょうか。貧血になっている女性は現在とても多く、WHO(世界保健機関)によると全人口の30%が貧血だと考えているほどです。

そんな世界中にあふれている貧血に対してみなさんは何か対策をしていますか?貧血になると体がダルくなったりして対策が大変だという人もいると思います。そんな方におすすめなのが「青汁」です。

青汁を飲むことで貧血改善に必要な栄養素をまとめて摂ることができます。今回は貧血と改善におすすめの青汁について解説しましたので、貧血に悩む方はぜひ確認してください。

貧血とは?

「貧血で倒れた経験がある」という女性は少なくないのではないでしょうか。貧血を起こすと、立ちくらみが起きたり気分が悪くなったりします。ひどい場合には、意識を失って倒れることもあるので、決して侮ることはできない症状です。

しかし、「貧血」という言葉を日常で聞いているのにも関わらず、その本質をよく知らないという方も多いでしょう。貧血と聞くと、その字面から単純に血液が足りないことを意味していると考える方もいるかもしれませんが、厳密に言うと異なります。

貧血とは、血液に含まれているヘモグロビンの濃度が少ないことを言います。ヘモグロビンとは、赤血球に含まれているタンパク質のことです。ヘモグロビンの濃度が少なくなると、赤血球は正常な働きができなくなります。

赤血球には酸素を全身に運ぶ役割があります。したがって、赤血球が正常な働きができなくなると、酸素を全身に上手く運べなくなり、からだの各機能が低下するので、貧血を起こすようになるのです。

貧血は、WHOの基準で「貧血である」と診断される基準が決まっています。その基準は、ヘモグロビンの濃度によるものです。

よく健康診断などで「貧血気味である」と診断されることもありますが、それはヘモグロビンの濃度が基準値を下回っていたり、下回ってはいないけれど、下回りそうであったりすることを意味します。

具体的な基準値の数値は、成人男性であればヘモグロビンの濃度が13g/dl未満であること、成人女性や小児であれば12g/dl未満であることです。

妊婦や幼児の場合には、ヘモグロビンの濃度が少ない傾向にあるので、11g/dl未満となっています。この基準値を下回っている場合には、貧血であると診断されます。

(参照サイト:女子栄養大学「貧血の基礎知識と症状。」)

貧血って血が足りていないのかと思ってた。

貧血は酸素を送ってくれるヘモグロビンが足りないから起きるみたいだね。

貧血が起こる原因って何?

貧血は主に女性がなりやすいと言われていますが、男性もならないわけではありません。その原因として主に以下の4つのケースがあります。(参照:e-ヘルスネット「若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題」)

  1. 偏食や無理なダイエット
  2. 妊娠、出産、授乳中
  3. 生理
  4. 内臓のどこかに疾患

1.偏食や無理なダイエット

1つ目は、偏食や無理なダイエットをしていることです。偏食や無理なダイエットをしていると、鉄分やタンパク質、ビタミンCの摂取量が少なくなります。

なぜ、これらの栄養素が少なくなると貧血になるのかというと、ヘモグロビンは鉄を含んだたんぱく質であるからです。そして鉄分は、ビタミンCがあることによって、その吸収が行われます。

そのため、これら3つの栄養素の摂取量が少なくなると、ヘモグロビンの生成が少なくなり、貧血を起こしやすくなります。

2.妊娠、出産、授乳中

2つ目は、妊娠、出産、授乳中であることです。女性は妊娠をすると、口から摂取した栄養素はすべて、赤ちゃんに優先的に送られるようになります。それは、鉄分も例外ではありません。

また、赤ちゃんを産んだ後の授乳中も、赤ちゃんはお母さんのからだでつくられる母乳を飲んで栄養を補うことになるので、栄養は赤ちゃん優先となります。

そのため、産前産後の女性のからだは、意識的に栄養を摂取するようにしていないと、貧血に陥りやすくなります。

3.生理

3つ目は、生理であることです。これも、出産と同じように女性特有の原因ではありますが、女性のからだは毎月、生理期間中に約25mlから60mlの血液を体外に出します。

毎月のことなので、女性のからだはこの量の出血をしたとしても、貧血にならないようにできています。

しかし、無理なダイエットを行っていたり、好きなものばかり食べていたりすると、普段だと貧血にはならないのに、生理期間中に貧血になることがあります。

4.内臓のどこかに疾患

4つ目は、内臓のどこかに疾患があることです。外から見て出血があるわけでもなく、栄養もしっかり摂っているはずなのに貧血になるという場合、内臓のどこからか出血が起きていることが考えられます。

例えば、胃潰瘍や胃がん、大腸がんなどの疾患は、出血を伴うことがあります。またその他でも、血液を生成する機能に疾患があると、貧血を起こすこともあるので、原因が分からないのに貧血が起きる場合には、要注意です。

こんなにも貧血になる原因はあるんだね。

ダイエットで貧血になるというのは聞いたことあるけど、他のはあまり知らなかったね。

貧血とはどのような症状?

貧血の症状は、酸素が正常に送られなくなることによって、引き起こされます。それは、ヘモグロビンに酸素を運ぶ働きがあるからです。貧血には主に以下の4つの症状が見られます。

  1. 息切れや動悸
  2. めまいや立ちくらみ
  3. 体がだるい、疲れやすい
  4. 髪の毛にコシがなくなったり、爪がひび割れしたり

1.息切れや動悸

1つ目は、息切れや動悸です。貧血になると、胸のあたりが苦しくなる方がいます。これは、貧血によって酸素が心臓に十分に送られていないことを意味します。心筋梗塞などの心臓に疾患がないのに息切れや動悸が起きる場合には、貧血が考えられます。

2.体がだるい、疲れやすい

2つ目は、めまいや立ちくらみです。貧血の中でも最もスタンダードな症状で、特に急に立ち上がったときに起こりやすいものです。これは、貧血によって、脳が酸素不足になっていることによって引き起こされています。

3.体がだるい、疲れやすい

3つ目は、からだがだるいことや疲れやすいことです。日頃からからだが疲れやすいというような場合、単純に疲れがたまっているのではなく、貧血である可能性があります。これは、貧血を起こして筋肉に酸素が十分に送られなくなると、見られる症状です。

4.髪の毛にコシがなくなったり、爪がひび割れしたり

4つ目は、髪の毛にコシがなくなったり爪がひび割れしたりすることです。髪の毛のパサつきや、爪のひび割れは、貧血とはあまり関係がないように思いますが、どちらも先端まで血液が正常に送られることによって生成されるものです。

そのため、貧血になって栄養素が送られにくくなると、からだの先端の栄養素が足りなくなるので、髪の毛にコシがなくなったり爪がひび割れしたりします。

貧血の症状は意識を失うなどのひどい症状でない限り見落とされがちですが、これらの症状が積み重なると心臓に負担をかけたり、他のからだの部位に負担をかけたりします。

はじめはただの貧血だったものが、負担をかけ続けることによって、より重大な疾患を招くキッカケになる可能性もゼロではないので、できるだけ早めに対処することが肝心です。

貧血に有効な栄養成分

貧血に対処するためには、ヘモグロビンをはじめとする赤血球を生成するのに深く関わりのある栄養成分を摂取しましょう。よく「貧血を治すためには鉄分を摂取しなさい」と言われることが多いです。

しかし、貧血に有効とされている栄養成分はそれだけではありません。貧血に有効な栄養成分として、主に以下の5つの成分があります。(参照:e-ヘルスネット「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう」)

  1. 鉄分
  2. タンパク質
  3. ビタミンC
  4. ビタミンB6・B12
  5. 葉酸

鉄分以外にも貧血の改善に必要なものがあったんだね!

貧血改善というと鉄分しかイメージがなかったね。

1.鉄分

1つ目は、鉄分です。貧血の際に鉄分を摂取しなければならないのは言わずもがなで、多くの方が知っているところでしょう。

鉄分が貧血に有効とされる理由は、ヘモグロビンを生成するのに必須の栄養素だからです。そのため、貧血の症状があるために病院で処置される際にも、鉄分の錠剤を処方されることもあります。

ヘモグロビンを正常に生成することは、健康的な赤血球をつくることに繋がります。それは、ヘモグロビンは赤血球を構成する組織だからです。したがって、鉄分を摂取することは酸素を多く持った赤血球を生成することに繋がります。

2.タンパク質

2つ目は、タンパク質です。そもそも、赤血球に含まれているヘモグロビンは、タンパク質です。そのため、健康的なヘモグロビンを生成するためには、タンパク質も摂取することが必要です。タンパク質には、鉄分の一種である非ヘム鉄の吸収率をアップさせる働きもあります。

つまり、摂取した鉄分を効率的に吸収するためには、タンパク質の摂取も重要ということです。したがって、鉄分を摂取しているはずなのに貧血が改善されない場合には、タンパク質不足である可能性も考えられます。

また、髪の毛や爪もタンパク質でできています。なので、タンパク質を摂取することによって、貧血でコシのなくなった髪の毛やひび割れた爪の改善も期待できます。

3.ビタミンC

3つ目は、ビタミンCです。ビタミンCと聞くと、美容関係に良いイメージが先行しますが、ビタミンCの役割はそれだけではありません。貧血の改善におけるビタミンCの役割は、鉄分の吸収率をアップさせることにあります。前述したタンパク質と同じような働きがあるということです。

ビタミンCもタンパク質と同じように、非ヘム鉄の吸収率をアップさせる役割があります。しかもビタミンCの場合は、何倍にも高める働きがあります。そのため、鉄分と一緒にビタミンCを摂取すると、最も効率的に非ヘム鉄を吸収できるようになるのです。

さらに、ビタミンCを充足させることで、貧血が改善するだけではなく、お肌の調子も良くなります。したがって、女性にとって嬉しい効果が詰まった栄養素であると言えます。

4.ビタミンB6・B12

4つ目と5つ目は、ビタミンB6とビタミンB12です。ビタミンB6とビタミンB12は、ビタミンCと同様に、一見すると貧血に有効な栄養成分であるとは思えません。しかし、この2つの栄養素ともに、血液を生成するのに深く関わっています。

特にビタミンB12は、「造血のビタミン」とも呼ばれており、血液を生成するのに不可欠な栄養成分です。そのため、これらの栄養成分が充足していないと、血液を生成しにくくなります。

ビタミンB12はDNAの合成を行うのにも必要な栄養成分です。なので、ビタミンB12が不足すると、DNAの合成がうまくいかなくなり、細胞分裂も正常に行われなくなります。

したがって、ビタミンB12の不足は、異常な赤血球をつくりだす巨赤芽球性貧血という悪性の貧血を引き起こすことがあります。

ただし、ビタミンB6については、摂取しすぎると感覚神経障害が引き起こされる場合があります。したがって、たくさん摂取しすぎるのではなく、定められた一日の摂取量を守ることが大切です。

5.葉酸

6つ目は、葉酸です。葉酸もビタミンB12やビタミンB6と同じように、血液をつくる働きがあります。つまり、赤血球をつくる働きがあるのです。そのため、葉酸が不足すると、健康的な血液をつくることができません。

さらに葉酸は、他の栄養素よりも吸収しにくい性質があります。なぜかというと、熱に弱い特徴があるからです。しかも、体内に蓄積されにくい性質も持っています。

したがって、葉酸は毎日意識的に摂取しないと、すぐに不足しがちになります。中でも、妊娠中や授乳中は特に葉酸が不足しがちになるので、葉酸を豊富に含んでいる食材の摂取が必要です。

貧血予防に効果的な食材

ヘモグロビンの生成を助けている鉄分は、毎日一定の量が損失されています。なぜなら、毎日のように鉄分を使ってヘモグロビンが生成され、赤血球が生成されているからです。

さらに女性だと、月経によって男性よりも損失の量が多いです。そのため、貧血の予防、さらに改善のためには、日々の食事を見直して貧血に有効な栄養成分が多く含まれている食材を意識的に摂取することが大切です。

貧血予防に効果的とされる食材は以下になります。

  1. ケール
  2. クマザサ
  3. モロヘイヤ
  4. 大麦若葉と明日葉

1.ケール

貧血の予防になる食材として、現在最も注目を浴びているのが、「ケール」です。ケールとは、葉物野菜の一種で、見た目はほうれん草や小松菜などと同じような形をしています。

ほうれん草や小松菜も鉄分が豊富に含まれていることで知られている野菜ですが、ケールにも鉄分が豊富に含まれています。

その量は、なんとほうれん草や小松菜よりも約4倍の量だというから驚きです。したがって、ほうれん草や小松菜をたくさん食べるより、少しでもケールを食べた方が鉄分を摂取できるのです。

ケールのさらにすごいところは、鉄分だけではなくビタミンCも豊富に含まれていることです。ビタミンCは鉄分の吸収率をアップさせる栄養素なので、ケールを意識的に摂取するだけで、鉄分を効率的に摂取できるようになるのです。

ケールは、ほうれん草や小松菜と同じように、スーパーで手軽に購入できる野菜の1つです。そのため、ケールを購入するために手間がかかるということはありません。

多くのご家庭では、食卓で葉物野菜を何か1品取り入れることが多いでしょう。そんなときに、ケールも候補として取り入れることで、鉄分とビタミンCを効率的に摂取できます。

2.クマザサ

クマザサも貧血を予防するのに効果的であると言われています。クマザサとは、ちまきを巻いている笹として使われることのある葉っぱです。

食卓に並ぶことは少ない野菜ですが、強い抗菌作用を持っていることから、古くから風邪の予防や改善、胃腸炎の改善のために民間療法の中で使われてきました。

そのため、クマザサをそのまま食べるというよりも、粉末にして薬のようにして食べたり、お茶にしたりすることが多いです。

クマザサが貧血に有効な理由は、ビタミンが豊富に含まれているからです。ビタミンCが含まれているのはもちろんのこと、ビタミンB群が豊富に含まれているので、鉄分を豊富に含んだ食材と一緒に摂取すると、鉄分の吸収率を高めてくれます。

現在では、粉末状の緑茶や青汁に含まれていることが多いです。したがって、クマザサを摂取したい場合には、粉末状のお茶や青汁の成分表を確認して、クマザサが含まれているものを選ぶのが最も手軽でしょう。

クマザサは、自生している葉っぱでもありますが、それをそのまま食べるのはおすすめできません。なぜなら、自生しているものは、その表面にどんな菌や汚れが付着しているか分からないからです。クマザサを摂取する場合には必ず、加工されたものやお店で売っているものを使うようにしましょう。

3.モロヘイヤ

貧血の改善のために、ケールなどと一緒に食べたい食材として、モロヘイヤがあります。モロヘイヤは、サラダによく使うという方も多いのではないでしょうか。

モロヘイヤは、ケールと同じようにスーパーなどで手軽に購入できる食材なので、普段から食卓に取り入れている方も多い食材の1つです。

現在では、スムージーなどを自分で作るのも流行っているので、それに入れて摂取している方も少なくありません。

モロヘイヤの良いところは、鉄分が含まれているほか、ビタミン類が豊富に含まれているところです。鉄分はケールほどではありませんが、ビタミンの含有量は野菜の中でも多い方です。そのため、鉄分が豊富に含まれている野菜と一緒にモロヘイヤを摂取することで、鉄分の吸収率を高められます。

モロヘイヤにはビタミンB6も豊富に含まれているので、造血作用があります。そのため、モロヘイヤ1つを摂取するだけで、鉄分の吸収率をアップさせながら、血液をつくる作用を助けられるのです。したがって、モロヘイヤを意識的に摂取することは、貧血の予防に非常に効果的です。

モロヘイヤは、野菜の中でもビタミンEの含有量がダントツに多い特徴もあります。ビタミンEは、抗酸化作用のある栄養成分なので、美容に効果的です。

4.大麦若葉と明日葉

その他に鉄分を多く含んでいる野菜といえば、大麦若葉です。大麦若葉の良いところは、鉄分だけではなく、ビタミンB12を豊富に含んでいるところです。

前述した通り、ビタミンB12には、血液の生成に必要な他、DNAの合成に必要なので、貧血を改善するために重要な栄養分です。そのため、大麦若葉を摂取することは、鉄分をしっかり摂取すること、ビタミンB12を摂取することにおいて、重要な役割を果たします。

明日葉も、貧血を予防するのに効果的な食材です。明日葉には鉄分が豊富に含まれているため、ケールや大麦若葉と同様に、明日葉を摂取することで足りない鉄分が補えます。

明日葉にはビタミンB12がほぼ含まれていませんが、その代わりビタミンB6がしっかりと含まれています。そのため、貧血を予防・改善するために明日葉を摂取したい場合には、ケールや大麦若葉などのビタミンCやビタミンB12を含んでいる野菜を一緒に摂取するのが理想的です。

貧血を予防するなら青汁

貧血を予防するために、野菜をたくさん摂取しなければならないという場合、青汁を飲むのが良いです。なぜなら青汁には、ケールや明日葉、大麦若葉、クマザサ、モロヘイヤなどが含まれているからです。

そのため、青汁を1杯飲むだけで、貧血の予防に効果的な栄養素を積極的に摂取できます。

青汁の良いところは、たくさんの種類の野菜をわざわざ買わなくて済むところです。ほうれん草や小松菜など、鉄分が豊富でビタミンもしっかり含まれている野菜を中心とした食卓にするには、サラダにするにしてもたくさんの種類の野菜を準備しなければなりません。

スムージーにすれば飲むだけなのでお手軽ではありますが、それを準備するのには手間がかかります。青汁であれば、粉末の中に貧血を予防する野菜が豊富に含まれているものを選べば、準備の手間は必要ありません。

野菜を買ってきたり、切ったりする手間が省けるので、効率的に貧血を予防する栄養を摂取できます。「青汁は苦いのでは?」と思う方もいるでしょうが、今では飲みやすい青汁が多く発売されています。

しかも、副作用もほとんど考えられないので、安全に毎日飲めるという観点からも、青汁は貧血の予防にぴったりの飲料です。

青汁ならまとめて飲むことができて楽だね!

そうだね。最近の青汁は美味しくなってきてるから若い子でも飲みやすいだろうね。

  • 貧血とは血液が足らないのではなく、ヘモグロビンの濃度が低下している状態
  • 貧血は出産や生理などが原因となることがあるため女性になりやすい
  • 貧血の症状は意識を落とすなどひどい症状でないと見落とされがち
  • 貧血には鉄分以外にもたんぱく質とビタミンが有効
  • 青汁を飲むことで貧血予防に良いとされる野菜をまとめて摂ることができる。