青汁と薬の併用には注意が必要?

青汁を健康のために飲んでいる人は多いでしょう。

しかし、病気治療のために薬を飲んでいる人の中には青汁を飲まないほうが良い人もいます。青汁と特定の薬を併用して飲むと、副作用が生じるだけではなく危険な状態に陥ってしまう可能性があるのです。

薬を飲んでいる人、病気の治療中の人が青汁を飲んではいけないというわけではありません。青汁は健康維持にも高い効果を発揮してくれますし、体内環境が健康になるとそれだけ病気になりにくい強い体を手に入れることができます。

青汁はあくまで、野菜の成分をたっぷりと凝縮した健康食品です。そのため、普段から野菜中心の生活を送ることと、青汁を飲むことはさほど変わりはないのです。

けれども青汁はただ野菜を食べるよりも沢山の栄養を補給することができますし、毎日欠かさずたっぷり栄養を補えるため、過剰摂取になってしまう可能性があります。

もし病気の治療中の人は、自分飲んでいる薬と青汁の飲み合わせが問題ないか一度調べてみてください。不安な場合は薬剤師さんなどに相談をして見ましょう。

薬剤師さんに相談をすれば、過剰摂取をするべきではない栄養素や青汁との併用ができるかどうかもわかるはずです。

青汁と薬は相性悪いみたいだから、おばあちゃんも気をつけてね。

そうだね。薬を飲むときは一度医師に相談してから飲んだほうがよさそうだね。

ワーファリン(ワルファリン)

青汁との飲み合わせで注意したいのがワーファリンです。

青汁のホームページやパッケージにも、ワーファリン服用中の方は医師や薬剤師と相談して、などの記載がある商品も多いはずです。

なぜワーファリンと青汁の併用ができないのかというと、青汁がビタミンKと似た働きをするからです。

ワーファリンは、血液が固まるのを防ぐ効果のある薬です。血栓症や塞栓症の治療、予防として使われていて、これらの病気の方の血液が固まってしまうと、脳卒中や心筋梗塞に陥る可能性があります。

青汁にはビタミンKが含まれていることが多いでしょう。ビタミンKはカルシウムを作る、骨を形成する、骨粗しょう症を予防するなどの働きがあります。その反面、血液凝固因子の活性化効果もあるのです。

血液を固めるワーファリンと、止血をするビタミンKは全く別の働きをします。そのためビタミンKが豊富に含まれた青汁を飲むと、ワーファリンの働きを阻害してしまいます。(参照:静岡県薬剤師会「ワルファリンとビタミンKについて」)

ビタミンKは明日葉、大麦若葉、小松菜、ブロッコリーなどに豊富に含まれている成分です。青汁にも多く含まれている成分といってよいでしょう。ワーファリンを服用中の人は、青汁を飲まないようにしましょう。

ピルとの飲み合わせは?

ピルは経口避妊薬と呼ばれる薬のことを言います。

避妊薬として知られていますが、生理周期を安定させたり、生理痛を緩和させるなどの効果があるため、産婦人科から服用を勧められる方も多いでしょう。

そんなピルと青汁は併用してはいけないのでしょうか。基本的に、ピルと青汁は同時に飲んでも問題のない薬です。ピルはホルモンバランスに影響を及ぼす薬です。

青汁は体内環境を改善するための健康食品なので、ピルと併用しても問題はないといわれています。しかし、イソフラボンが配合されている青汁には注意が必要です。

イソフラボンは体内で女性ホルモンと似た働きをします。美肌効果やバストアップ効果が高いため、意識し摂取している女性も多いはずです。

そんなイソフラボンとピルを併用して摂取することは、国立健康・栄養研究所の「イソフラボン」によると推奨されていません。

青汁はイソフラボンに特化した飲料ではありません。イソフラボンや女性ホルモンに似た成分がたっぷりと含まれているサプリであれば副作用が起こる可能性がありますが、青汁の場合は問題ないでしょう。

もし万が一のことを考えるのであれば、イソフラボンの入っていない青汁とピルを併用してください。

この病気を患っている人は注意!

青汁は健康にとても良い飲み物ですが、全ての人が飲んでも良い、という飲み物ではないのです。実は、持病で青汁を飲んではいけない人も存在するのです。

青汁を健康目的で飲んでいる人もいるでしょうが、青汁を飲むことで悪化する可能性のある病気もあるのです。

健康食品ではありますが、沢山の成分が含まれています。そのため、青汁を飲むことで体に負担が掛かったり、栄養の過剰摂取に陥り持病が悪化する可能性もありえるのです。

青汁って安全なイメージだけど飲むと悪化する病気なんてあるんだ!

私は病気になりやすいから注意しないといけないね。

慢性腎臓病とは?

慢性腎臓病とは、文字通り腎臓の病気です。

聞きなれない病気かもしれませんが、成人の8人に一人は慢性腎臓病をわずらっているといわれています。慢性腎臓病になると、夜間頻尿、貧血、むくみ、倦怠感、息切れなどの症状が起こります。

現代人に多い病気ですが、実は初期の自覚症状がほとんどないのです。そのため悪化するまで病気に気づかず手遅れになる人が増えています。

腎臓は一度悪化すると、自然回復することはありません。放置するとどんどん悪化し、最悪の場合人工透析や腎臓移植を行わなければいけない可能性もあります。だからこそ、注意が必要です。

慢性腎臓病は加齢とともに発症する人が多い病気です。特にメタボリック症候群の人に多く、肥満、高血圧、糖尿病の人は腎臓が悪くなりやすいのです。他にも尿異常や膠原病、感染症、尿路結石などが起こったことがある人は注意をしてください。

生活習慣の乱れから起こりやすいのが病気です。もし疲れやすい、むくみやすい、トイレが近いなどの症状を感じたらすぐに病院で検査をして貰いましょう。

尿淡白の検査や血清クレアチニンの検査を受ければ発見できる病気です。悪化しすぎないうちに治療をすることが大切です。

青汁による慢性腎臓病への影響は?副作用は?

慢性腎臓病の人は、青汁を飲んではいけません。青汁にはカリウムが沢山と配合されています。

慢性腎臓病の人は腎臓の機能が弱まっている状態なので、カリウムを取りすぎると消化しきれずに高カリウム血症になってしまう可能性があります。

高カリウム血症とは、カリウムをうまく排出することができず体内に溜め込んでしまい、吐き気やしびれが起こる病気のことを言います。また、カリウムの量が増えすぎると不整脈になる可能性もあります。不整脈が悪化すると心臓停止に陥る可能性もありえる、恐ろしい病気です。

慢性腎臓病の方はカリウムの摂取量を制限されている場合も多いでしょう。成人男性は一日2500mg、成人女性は2000mgが目安量なのに対し、人工透析を受けている人は一日の摂取量が1500mgに制限されています。

青汁で腎臓に悪い影響を及ぼすわけではありませんが、カリウムを取りすぎる可能性があるので注意をしてください。

適度なカリウムの摂取は、腎臓病の方でも問題ありません。特に青汁に含まれているアミノ酸やミネラルは腎臓にも良い影響を与えてくれる成分なので、医師と相談をしながら青汁を飲んでみても良いかもしれません。

甲状腺機能低下症とは?

甲状腺機能低下症とは、甲状腺の働きが弱まり甲状腺ホルモンが足りなくなってしまう病気です。

甲状腺ホルモンは体の臓器や細胞を動かすためになくてはならないホルモンです。このホルモンがあるからこそ、体が成長したり新陳代謝が働くことができます。

不足すると、さまざまな臓器の働きが落ちてしまい、体全体の不調につながってしまいます。甲状腺機能低下症で一番多い症状が、だるさ、やる気のなさです。

甲状腺機能低下症になると脳や神経の働きが低下してしまうため、体全体が重くなり、疲れやすさやだるさを感じてしまうのでしょう。集中力が低下する、すぐに眠くなるなども甲状腺機能低下症の症状の一種です。

他にもむくみやすくなる、体重が増える、便秘になる、皮膚が乾燥する、女性の場合月経異常や不妊症が起こるなどの症状が出てきます。

これらの症状は全て、加齢や時期、精神的なものと似通っています。そのため甲状腺機能低下症だと気づかず過ごしてしまう人も多いのです。

しかし甲状腺機能低下症を放置しておくと全身がむくみ、心臓周辺に水分が蓄積し、さらに症状が悪化してしまう場合があるので注意をしてください。

うつ病や更年期障害と似ているため誤解されやすい病気なのです。

青汁による甲状腺機能低下症への影響は?副作用は?

甲状腺機能低下症の人は、青汁をあまり飲まないほうが良いといわれています。なぜなら、青汁の主成分に多いケールには、甲状腺機能低下症の症状を悪化させてしまう成分が含まれているからです。

ケールは野菜の王様とも呼ばれている成分で、国産の青汁の主成分によく使われています。沢山の栄養を効率的に吸収できるため、健康に高い効果を発揮してくれるでしょう。

しかし、ケールに含まれているイソチオシアネートと言う成分は甲状腺機能低下症の症状を悪化させてしまう可能性があるのです。

イソチオシアネートは甲状腺ホルモンの分泌を抑える働きがあります。健康な人がケールを摂取するぶんには問題ありませんが、甲状腺の病気を患っている人が摂ると、少量でも甲状腺ホルモンの働きに悪い影響を与えてしまうのです。

甲状腺機能低下症の人は、ただでさえ甲状腺ホルモンの働きが低下している状態となっています。ちょっとの量のイソチオシアネートでも過敏に反応し、体に悪い影響をもたらしてしまうでしょう。

現在、ケールが含まれていない青汁はあまりありません。それだけ青汁に適した野菜なのです。そのため甲状腺をわずらっている人は青汁は飲まないほうが良いでしょう。

C型肝炎

C型肝炎は、肝臓系の病気です。

肝炎にはA型、B型、C型などのいくつかの種類がありますが慢性肝炎の7割ほどがC型肝炎なのです。30歳以上の100人に1から3人が感染するといわれているほど身近な病気となっています。

C型肝炎の主な症状は全身のだるさや食欲不振です。この程度の初期症状の場合は、体調不良や精神的なものだと思い放置をしてしまう人が多いでしょう。しかし、C型肝炎が悪化すると肝硬変になってしまい、むくみ、黄疸、腹水などの症状が起こる場合があります。

C型肝炎を発祥した人の7割以上が慢性化し、そのうちの3人に1人が20年後に肝硬変になり、肝硬変にまで進行した人の多くが肝臓がんになるといわれています。それほどまでにC型肝炎は恐ろしい病気なのです。

また、C型肝炎は初期症状のみで気づく人はほとんどいません。だるさや食欲不振を感じ検査をする人は稀でしょう。多くの人は、健康診断や人間ドッグを受けた際にC型肝炎だとわかります。そして気づいたときにはすでに慢性化している可能性が多いのです。

C型肝炎は血液から感染する病気なので、覚せい剤や麻薬の注射器の使いまわし、出血を伴う民間療法、かみそりや歯ブラシの共用などから感染します。

青汁によるC型肝炎への影響は?副作用は?

C型慢性肝炎をわずらっている人は青汁の服用が推奨されていません。基本的に、肝機能が低下している人は青汁を飲まないほうが良いのです。

なぜなら、C型慢性肝炎には鉄分が多く含まれているからです。C型慢性肝炎を発症している人は、一日の鉄分の摂取量を6mg以下にするよう指導を受けているはずです。肝機能が低下していると、鉄分が肝臓に蓄積しやすくなってしまいます。

鉄分が溜まると、活性酵素の働きが活発化し、C型慢性肝炎の症状が悪化してしまうのです。症状が進むと、肝臓が炎症を起こしたり肝臓がんになりやすくなってしまいます。そのため、C型慢性肝炎の人は青汁を飲まないほうが良いのです。

青汁は、決して体に悪い飲み物ではありません。肝臓機能が低下している人が青汁を飲むと、ミネラルやアミノ酸を効率的に吸収することができ、肝機能の正常化を図ることができます。また、大麦若葉に含まれているコリンと言う成分は、肝機能の向上や肝硬変の予防の働きがあることで知られています。

そのため、鉄分の量に注意をすれば、青汁を飲んでも良いのです。気になる場合は、まずは医師に相談をしてください。鉄分の量に注意をすれば、C型慢性肝炎の人でも青汁を飲むことができます。

まとめ

病気を患っている人、薬を服用している人こそ、健康のために青汁を飲もうと考えるはずです。確かに青汁は体に良い成分がたっぷりと配合されています。

しかし、体に良い栄養でも摂りすぎてはいけませんし、病気の状態や薬の性質によっては、青汁と相性が悪い可能性もありますので、青汁を飲んではいけない人もいるのです。

もちろん、青汁が悪い効果をもたらすのは一部の成分のみです。自分の病気や飲んでいる薬が、青汁のどの成分と相性が悪いのかを知りましょう。そして飲みすぎないように気をつけたり、医師と相談をすることで、治療中でも飲める青汁が見つかるかもしれません。

青汁を飲んで体内環境を改善することは、病気の回復にもつながります。だからこそ、ただ青汁を飲むのではなく、自分は青汁を飲んでも良い病気なのか、薬との飲み合わせは悪くないのか、飲んでも良い青汁はどの銘柄なのかを明確にすることが大切です。

実際に、病気の治療中に青汁を飲んで健康維持をしている人は沢山います。体内環境を改善することで、病気の回復が早くなった人もいるはずです。

青汁はあくまで健康食品なので、病気が悪化したり成分を摂りすぎるという危険性はありません。だからこそ、見極めながら飲むことが大切です。

  • 青汁と一部の薬の併用には注意が必要
  • ワーファリンを服用しているならビタミンKを多く含んだ青汁に注意が必要
  • ピルを服用しているならイソフラボンを含んだ青汁に注意が必要
  • 慢性腎臓病、甲状腺機能低下症、C型肝炎のどれかを患っている方は青汁を飲まない