「ジュースクレンズ」とはハリウッド女優など海外の大物有名人が美容と健康のために利用することで有名になったダイエット方法です。

ジュースクレンズと青汁ダイエットはよく比較されますが、結局どっちのほうがダイエットに良いのか分からないという方もいると思います。

そこで今回はジュースクレンズについての解説と青汁とどっちのほうが良いのか解説していきます。

ジュースクレンズとは?

近年ハリウッド女優など大物有名人たちが美容と健康のために利用していることで一躍有名になった、「ジュースクレンズ」。ジュースクレンズという響きから飲み物の名称として扱われることもありますが、正確に言えばダイエット方法のこと。

「クレンズ(cleanse)」とは「(汚れや老廃物を)排除する・取り除く・キレイにする」という意味の英語動詞で、「ジュースでクレンズする」つまり「ジュースで体内の汚れを排除する=デトックスする」という意味です。

デトックスにより滞っていた血行や代謝が良くなれば、人がもともと持っている基礎代謝、つまり呼吸をしたり内臓を動かしたりといった生きているだけで消費されるエネルギー量が上がることで痩せやすく太りにくい体質に変えることができるわけです。

ではデトックス効果があるジュースで行えば何でも「ジュースクレンズ」になるのかというと、そうではありません。「ジュースクレンズ」に使用するジュースの条件としては「新鮮な生の野菜や果物100%であること」、「酵素が摂れるものであること」、そして「コールドプレス製法によって作られていること」が挙げられます。

特に野菜ジュースやスムージーと大きく異なる点がこの「コールドプレス製法」で、これは低速回転のジューサーで強い圧力をかけてすりつぶすことで果汁を搾る方法。

従来の遠心分離法を利用した高速回転のジューサーでは、高速回転している刃で材料を切り刻むため、加熱しているつもりはなくても摩擦熱により結果的に野菜や果物に熱が加わってしまいます。

野菜や果物に含まれるビタミンや酵素は熱に弱く、熱が加わると栄養素が損なわれてしまいますから、加熱処理をしている市販の野菜ジュースよりはマシとは言え生野菜が本来持っている栄養素を十分に摂取することができません。

しかしこのコールドプレス製法であれば熱が発生しないため、栄養素の損失を最大限に抑えることができるというわけなのです。

ジュースクレンズってダイエット方法のことを言うんだ!

健康には良さそうだけど使用するジュースの準備が大変そうね。

ジュースクレンズで使うジュースの作り方

ジュースクレンズ最大のポイントは、前述の通りジュースをコールドプレス製法で作るということです。ところが一般的なミキサーは全て高速回転のジューサーですから、まずは低速回転式のジューサー(スロージューサー)を手に入れなければなりません。

有名なところではヒューロム製のスロージューサーです。価格は3万円ほどとミキサーとしてはやや高価ですが、ジュースクレンズの専門店でジュースを購入して続けるより長い目で見て安くつきます。

スロージューサーさえ手に入れてしまえば、後は身近にあるフレッシュ野菜と果物で簡単に作ることができます。ビタミンや酵素を多く含む食材を使えばそれだけ効果も高くなりますが、まずは続けられることを優先して飲みやすく揃えやすい材料で作って見ると良いでしょう。

お勧めとしては、栄養価が高いうえに味やニオイに癖のないほうれん草と、柑橘系やパイナップルなどの甘酸っぱい果物です。

ベーシックジュースクレンズ
材料ーほうれん草1/2束・オレンジ3個
作り方ーオレンジの皮をむき、適当な大きさにカット。ほうれん草は泥をしっかり洗い流して根の部分を取り除いておきます。スロージューサーに入れる時にはほうれん草は茎の部分から立てるようにして入れましょう。

ジュースクレンズのメリット・デメリット

ジュースクレンズの基本は、いわゆる「プチ断食(ファスティング)」。3日間などの短期間限定で食事をジュースのみに置き換える方法です。

ジュースクレンズはその美容と健康効果の高さから世界中で人気を呼んでいるわけですが、始める前に、具体的にどのような効果があるのか、またデメリットや注意点はないのかを予め把握しておきましょう。

メリットや効果

まずプチ断食によって得られる最大の効果として、デトックス効果が挙げられます。消化活動によって酷使されていた様々な器官・機能を休ませることができるため、その代わりに体は代謝のために働くことができるようになります。

その働きの1つとして体内の老廃物を全て流し去るデトックスが行われ、これにより滞っていた代謝や免疫機能、血流とリンパの流れがスムーズになり、肌荒れ・冷え性・浮腫み・便秘などが改善される他、疲労回復や免疫力、基礎代謝の向上などの様々な美容・健康効果を得ることに期待できます。

勿論プチ断食の実施期間中摂取カロリーを大幅に抑えることになるため、短期間でダイエット効果を得ることもできます。

更にプチ断食の中でもジュースクレンズならではのメリットを挙げてみますと、他のジュースで行うよりずっと栄養価が高いという点があります。

特に取り入れたい酵素やビタミンは熱に弱いため、熱を加えずに作られたスロージュースはプチ断食の効果を高めてくれます。

そのうえ使用する食材次第では味も良く材料費もかからず続けやすいですし、決められたジュースを飲むだけなのでダイエットメニューを考えるような面倒もありません。

デメリット

特にジュースクレンズで行うプチ断食のデメリットとしては、何と言っても”費用が高め“になってしまうということが挙げられるでしょう。

ジュースクレンズに使うジュースは低速回転のスロージューサーでのみ可能なコールドプレス製法で作らなければなりませんから、ジューサーがない場合専用のジューススタンドで毎回購入する必要があります。

勿論店舗によって多少違いはありますが、1日分だと約5000〜6000円かかり、3日間続けるとすれば1万5000〜1万8000円ほどかかってしまう計算になります。

スロージューサーを買う場合なら約3万円。やはりジューサーとしては高価なものになります。また購入するとしても近くにお店がない場合もあり、入手しにくいという点もデメリットになります。

ジュースクレンズを飲む上での注意点

ジュースクレンズはプチ断食ですから、最大でも5日間程度、1週間も2週間も続けて行ってはなりません。野菜や果物からビタミンやミネラルを摂ることはできても、体に必要なたんぱく質や脂質といった栄養素が極端に不足してしまいます。

試してみてかなり辛いようなら1日だけでも構いません。プチ断食の実施日の2〜3日前から前準備期間として消化に良いものを摂るようにし、プチ断食が終わってもすぐに普段の食事に戻さないようにしましょう。

最初は消化の良いスープやおかゆから食べ、徐々にいつもの食事に戻していくことがリバウンドを防ぐコツです。

またジュースクレンズでプチ断食をした結果、吐き気や頭痛、脱水症状、下痢、眩暈といった症状が現れることがあります。これはジュースの副作用ではなく、漢方医学で言うところの「好転反応」。

体内に溜まっていた老廃物が一気に排出されることで、その反動としてこういった症状が現れるのです。つまりジュースクレンズが効果を発揮している証拠です。

しばらくすると治まるので驚いてやめてしまわないようにしましょう。ただし我慢できないほどの症状やあまりにも長く続く場合は一度ストップして専門医に診てもらってください。

好転反応として現れる症状が怖いね。

そうね。心配だからあまり無理しないようにしないとね。

青汁とジュースクレンズの違い

「野菜の栄養素を十分に引き出した飲み物」という点ではジュースクレンズも青汁も同じもののように感じるかもしれませんが、実際にはかなり違いがあります。

まず青汁とはケールなどの緑葉野菜を搾った搾り汁のことで、大麦若葉や桑の葉、明日葉、ほうれん草、モロヘイヤなどといった野菜が原材料となります。

一方ジュースクレンズに使うスロージュースは特に食材に決まりはなく、好きな野菜に加えて果物もふんだんに使用します。

また製法にも違いがあり、スロージュースはその名の通りスロージューサーにかけることで食材に熱を加えず液体状にするのに対し、青汁には様々な製法があって中には製造過程の中に加熱処理が混ざっているものまであります。

何より含まれる栄養素に違いがあるという点が、最大の相違点になります。スロージュースは果物が持つポリフェノールなどの栄養素も含みますが、青汁にはそれがない代わりにケールや大麦若葉など独特の高い栄養価を持ちます。

特に食物繊維の有無は決定的で、水溶性・脂溶性食物繊維を豊富に含む青汁とは違い、スロージュースは製造時の圧縮作用によって不溶性食物繊維が取り除かれ水溶性食物繊維だけが残ることになります。

似ているようだけど含まれる栄養素がそれぞれ違うんだね。

青汁のほうが栄養価は高そうね。

青汁とジュースクレンズ、どちらがおすすめ?

では青汁とジュースクレンズ、結局どちらが良いのか?というと、これは得たい効果や希望する実施期間、かけられる費用、また本人の性格などによって異なります。

例えば、速攻でデトックス効果を得たいなら、ジュースクレンズがお勧め。ジュースクレンズのスロージュースは原材料が持つ酵素を壊さないことを最優先に考えた飲み物なので、ある種の青汁と比べると含まれる酵素の量に大きな差をつけます。

そのうえジュースクレンズはプチ断食ですから、辛い分だけ即効性も高く3日だけでデトックス効果を実感できるでしょう。勿論極端にカロリー制限することになるため、体重減少効果も直ぐに実感できます。

この点青汁は基本的にはプチ断食に使用する置き換え食品ではなく1日の食事に加えて飲むものなので、効果を感じるまでにもある程度の時間がかかります。

しかし、プチ断食はツラい、効果はゆっくりでも良いから確実に美容と健康効果を得たいという人なら青汁がお勧め。

またジュースクレンズは1回(3〜5日間)に1〜3万円ほどかかってしまうのに対し、青汁なら1ヶ月でも6000〜9000円以内に収まる為費用をかけたくない人も青汁が向いています。

費用が高いから私は青汁かなー

そうね。私は早く効果を得たいけど、断食は心配だから私も青汁が良いわ。

青汁の方がおすすめな理由

長期的に見て美容や健康効果を得たい、体質そのものを改善したいという場合には、青汁の方がお勧めです。青汁をお勧めする最大の理由は、青汁に使用されている原材料の栄養価の高さにあります。

ジュースクレンズはその製法に特異性があるとはいえ、使用する原材料はごく一般的な食材。ほうれん草やニンジンなど普段の食事でも摂っているものばかりです。

一方青汁に使用されている原材料、それも主材料となっているのはケールや大麦若葉、明日葉などは普段の食事では摂ることのない食材で、他の一般的な野菜と比べても非常に栄養価の高い野菜ばかりです。

良薬口に苦し」という言葉もある通り、栄養価が高い分、苦みが強く青臭いのですが、青汁にする際にできるだけそのような味やニオイを抑える工夫がされているため、そのまま食べるよりずっと摂りやすくなっています。

またスロージュースには果物も含まれているため、果物が持つ果糖の分だけカロリーが高くなってしまいますが、青汁なら1杯100〜200kcal程度。ゆっくり確実にダイエット効果を得たいならやはり青汁がお勧めと言えるでしょう。

我が家は青汁だね!

そうね。ゆっくり健康を改善していきましょう。

まとめ

著名人たちも愛用していることから現在ブームになっている、ジュースクレンズ。普通の野菜ジュースやスムージーとの徹底的な違いは「コールドプレス製法」と呼ばれる特殊な製法にあり、これによって野菜や果物に熱を加えず栄養価を損なうことなく摂取できるというのが最大のメリットです。

ジュースクレンズのやり方は基本的にプチ断食と同じで、3〜5日間の短期間、毎回の食事をスロージュースに置き換えるだけ。これによりデトックスとダイエット効果を得ることができるというわけです。

とは言え、スロージュースを売っている店舗は少なく、あったとしてもかなり高額になってしまうという点がジュースクレンズのデメリット。そのうえ圧縮製法により脂溶性食物繊維が壊されてしまっていますし、果物の果糖がダイエットの邪魔になるという考え方もあります。

この点、青汁なら1杯あたり100円程度ですし、実店舗や通販で簡単に手に入れることができます。何より栄養価の高い食材を使用しているため、酵素以外に食物繊維、ビタミン、ミネラルなどがギュッと濃縮されています。

プチ断食にはあまり向かない食品ですが、普段の食生活に取り入れ、ゆっくり確実に美容と健康効果、体質改善を図りたいなら、やはり青汁がお勧めです。

  • ジュースクレンズとはダイエット方法
  • ジュースクレンズの基本は「プチ断食(ファスティング)」
  • 他のジュースで行うよりもずっと栄養価が高い
  • デメリットは費用が高めとなっている
  • ジュースクレンズを行うときは好転反応による症状に気をつける
  • 青汁とジュースクレンズで使うスロージュースは含まれる栄養が違う
  • 早く効果を得たいならジュースクレンズ、ゆっくりでも良いから確実に効果を得るなら青汁