海外セレブやモデルが飲んでいると有名な「グリーンスムージー」。日本の青汁と具体的にどう違うのかご存知でしょうか。

どちらも野菜と果物を使っているので見た目も色も似ていますが、実は違う点がいくつか挙げられます。そこで今回はグリーンスムージーとはどういう飲みものか、青汁とは何が違うのかを解説します。

グリーンスムージーとは?

モデルや女優の間でも美容と健康を保つために愛用されていることで有名になった、「グリーンスムージー」。アメリカ在住のロシア人、ヴィクトリア・ブーテンコ氏が健康障害を改善するためのローフードとして考案したのが始まりです。

「スムージー」とは凍らせた果物や野菜などを混ぜ合わせて作るシャーベット状の飲み物のことで「グリーン」スムージーとなると凍らせた生の葉野菜と果物と水をミキサーなどのブレンダーで混ぜ合わせた飲み物ということになります。

とは言え実際には必ずしも凍らせたものを使うとは限らず、生野菜をそのまま利用している人も少なくありません。

生野菜と果物をミキサーにかけたもの、と聞くとつまり野菜ジュースのことかと思われるかもしれませんが、決定的な違いは葉野菜を主材料にしているということでしょう。

野菜ジュースも葉野菜を使うことがありますが、それ以上にニンジンなど他の野菜を多く配合しています。また市販の野菜ジュースとなるとその製造過程において必ず加熱処理が必要となるため、「生野菜」とは言えません。

加熱処理によってビタミンが損なわれてしまうため、加熱処理をしない手作りのグリーンスムージーの方が効率よくビタミンを摂取することができます。

グリーンスムージーも美味しそうだね!

そうね。ビタミンも摂れるみたいだし一度試してみてもいいかもね。

グリーンスムージーの作り方

グリーンスムージーの基本は、葉野菜以外の野菜を使わないこと、水以外の物を加えないこと。また使用する葉野菜は最も栄養価が高くなっている旬のものがお勧めです。

春の旬葉野菜や果物と言えば、レタス、セロリ、イチゴ。夏ならモロヘイヤ、メロン、スイカ、イチジク。秋冬なら小松菜やほうれん草、水菜、チンゲン菜、梨、みかん、リンゴなどがお勧めです。

これらの生野菜と果物を適当な大きさに切ってから水と一緒に全部ミキサーにかけるだけです。

グリーンスムージーを始めて試してみるという人は、まずは材料が手に入りやすく飲みやすい味に仕上がる基本のグリーンスムージーから始めてみましょう。

用意するのは、バナナ1本、オレンジ1個、キウイ1/2個、ほうれん草1/4パック、これに水1カップを加えてミキサーにかけます。よりスムージーらしくしたいなら、材料を切ってから凍らせておいたものを使いましょう。

数ある葉野菜の中でもほうれん草は癖がないので飲みやすいですし、バナナの甘みが更に味をマイルドに仕上げてくれます。

グリーンスムージーのメリット・デメリット

その美容と健康効果から女性を中心に人気を博しているグリーンスムージー。毎朝、朝食代わりに飲んでいるという人は少なくないでしょう。

ただし、どんなに良いものでもメリット以外に多少のデメリットや注意点も存在します。グリーンスムージーを利用する前にメリットとデメリットの両方を確かめておきましょう。

メリット

グリーンスムージー最大のメリットは、やはり何といっても1日の野菜摂取推奨量をコップ4〜5杯で摂ることができるということでしょう。

毎食時と間食代わりに1杯ずつ飲めば必要なビタミンやミネラルをしっかり摂ることができます。これを野菜サラダとして摂るとすればボウル一杯の野菜サラダを食べなければならないことになり、毎日の食事としては現実的ではありません。

そのうえスムージーはミキサーにかけることで野菜や果物の細胞壁を壊すことができ、これによって含まれている栄養素を消化吸収しやすくなっています。さらに果物と混ぜ合わせるため、材料によってはデザート感覚で楽しめるという点もメリットです。

また市販の野菜ジュースと比べた場合、加熱処理をしていないという点もグリーンスムージーのメリット。前述の通りビタミンは加熱処理によって損なわれてしまうものがあるため、実は思っている以上に栄養価が低くなってしまっているのです。

この点生野菜をミキサーにかけるだけの手作りグリーンスムージーは、素材に含まれている栄養素を余すところなく摂取することができます。作り方も簡単で、予め材料を量っておけば後はミキサーにかけるだけ、という手軽さもメリットです。

デメリット

天然の野菜と果物を使ったフレッシュなグリーンスムージーですから、摂ることで発生するデメリットなどほとんどなさそうに思えるかもしれませんが、気をつけたいのはこれに頼りっきりになってはいけないということ。

いくらビタミンやミネラルが豊富といっても、人の体はそれだけで健康を維持できるわけではありません。三大栄養素と呼ばれるたんぱく質・脂質・糖質はグリーンスムージーだけでは賄いきれないでしょう。それにグリーンスムージーは液体、つまり流動食ですから、当然ですが噛む必要がありません。

実は「噛む」という行為は単に食物を細かく砕くというだけでなく、それによって唾液が分泌され酵素の働きを活性化させ、栄養素を消化・吸収させるという役割があります。従ってスムージーしか摂らなければ唾液の分泌量が減り酵素が働かず、栄養素が十分体に吸収されなくなるのです。

またグリーンスムージーは手作りが基本ですから、サプリメントのように水でサッと流し込むだけというわけにはいきません。

「メリット」で挙げた通り野菜料理を作るよりは簡単ですが、材料を手に入れ、切ってミキサーにかけ・・・という課程がサプリメントと比べれば面倒と感じる人もいることでしょう。

グリーンスムージーと青汁の違い

葉野菜を使用した飲み物と言う点ではグリーンスムージーも青汁も同じようなものに思えるのですが、様々な点で違いがあり、飲む目的に応じて使い分けると良いでしょう。

まずアメリカ生まれのグリーンスムージーに対し、青汁は日本生まれ。実はアメリカでは日本ほど緻密に計算された栄養ドリンクは生産されておらず、青汁の代わりにグリーンスムージーが広まったと考えられます。それに日本で生み出された青汁は、やはり日本人の体質によく合う飲み物に仕上がっています。

具体的な違いとしては、まずその原材料の違いが挙げられます。グリーンスムージーは葉野菜4:果物6の配合が基本で、つまり実際には野菜より果物の方が多く使われています。

また使用される野菜もほうれん草やチンゲン菜、パセリなどといったどこのスーパーでも売られているような食材ですが、青汁の主原料はケールや大麦若葉、明日葉といったなかなか手に入りにくい食材ばかりです。

他にはモロヘイヤやゴーヤ、桑の葉なども使用されており、基本的に果物は配合せず青野菜だけで作られています。このため青汁は苦みや青臭さがあって飲みにくく、果物をふんだんに使ったグリーンスムージーの方が美味しく飲めて続けやすいという違いもあります。

グリーンスムージーのほうが良さそうだね。

青汁も日本人の体質に合うように作られているみたいよ。

ダイエットに向いているのはどっち?

先ほど考えた通り、青汁とグリーンスムージーの大きな違いは、果物が配合されているかどうかです。

果物が沢山含まれているグリーンスムージーは、飲みやすく続けやすい上にフルーツに含まれるビタミンやミネラルも摂ることができるのですが、一方でフルーツに含まれる糖質とカロリーがダイエット効果を下げてしまうという点がデメリットです。

勿論青汁の種類やグリーンスムージーに使う材料によって違いがありますが、平均すると青汁1日分(コップ2杯分)で2〜120cal、糖質2〜27g。グリーンスムージー1日分(1杯分)で200〜210cal、糖質50〜60g。グリーンスムージーは青汁の2倍以上になることが分かります。

ではグリーンスムージーより青汁の方がダイエットに向いているのかと言えば、そうとも限りません。グリーンスムージーには糖質があり飲み応えもあるので飲んだときの満足感という意味では青汁に勝ります。

例えば置き換えダイエットなどで1食を丸々青汁かグリーンスムージーかに換えてしまうとすれば、ダイエット効果は下がるものの続けやすいのはグリーンスムージーでしょう。

つまり、即効性を求めるなら青汁の方が、続けやすさを重視するならグリーンスムージーの方がダイエット向きということになります。

私は続けやすさが良いからグリーンスムージーかなー。

私はすぐに結果がほしいから青汁かしら。

栄養価が高いのはどっち?

既に何度も触れた通り、グリーンスムージーと青汁の大きな違いは果物が使われているかどうかで、果物をふんだんに使用したグリーンスムージーは飲みやすいだけでなく果物に多く含まれるポリフェノールなどの栄養素も摂ることができるというメリットがあります。

しかし一方で糖質も高く、欲しい栄養素と共に糖質とカロリーまで多く摂取してしまうことになるという点を忘れてはなりません。

一方の青汁は、果物の栄養素こそ含まれていないものの、青汁でしか取れない栄養価の高い野菜を摂ることができるため、わずかな量でもビタミンやミネラル、食物繊維などを十分に効率よく摂取することができます。

例えば青汁の主材料としてよく使用されるケールに含まれるカルシウムやビタミンC、食物繊維はキャベツの倍以上。βカロテンで言えば何と60倍近くも多く含んでいます。

店頭で見かけることもなく調理の仕方も分からない、だけど栄養価の非常に高い野菜を摂ることができるという意味では、青汁の方が栄養価が高いと言えるでしょう。実際、1日の摂取目安量はグリーンスムージーなら2杯ですが、青汁ならコップ1杯(400ml程度)となっています。

グリーンスムージーのほうが飲みやすいけど栄養価は青汁のほうが高いんだね。

特にケールを使った青汁は栄養価が高いみたいね。

まとめ

生の葉野菜と果物だけをミキサーにかけて作る、グリーンスムージー。サラダでは食べ切れない量の野菜もスムージーにしてしまえば簡単に摂ることができ、しかも加熱していないため野菜に含まれるビタミンが損なわれてしまう心配もありません。

加えて果物をふんだんに使用することで甘みが出て美味しく飲めるため、続けやすいというメリットもあります。

一方で、同じく葉野菜をベースにした青汁と比べると果物を使っている分だけ糖質も高くなり、カロリーも高くなってしまうためダイエット効果が下がってしまうというデメリットがあります。

果物に含まれるファイトケミカルも一緒に摂ることができるという点では青汁に勝りますが、同時に不必要な栄養素も摂ってしまうことになります。

また何よりグリーンスムージーはあくまで普段の食材から作るのに対し、青汁は自分では手に入れることも調理することも難しい、だけど非常に栄養価の高いケールや大麦若葉、明日葉などの野菜を摂ることができます。総合的な栄養価という点ではグリーンスムージーは青汁に一歩及ばないのです。

いずれにしても、青汁であれグリーンスムージーであれ、これだけで必要な栄養素が全て摂れるわけではないことも覚えておきましょう。あくまで健康食品の1つとして利用してください。

  • グリーンスムージーとは葉野菜を主材料としている飲み物
  • 材料によってはデザート感覚で飲める
  • 素材に含まれる栄養素をしっかりと吸収できる
  • グリーンスムージーだけに頼ってはいけない。食事も大切
  • グリーンスムージーと青汁は原材料が違う
  • 飲みやすさはグリーンスムージーだが、栄養面では青汁