近年、便利な世の中になっていくと同時に増加中の病気が「生活習慣病」です。名前のせいか、生活習慣病と聞いても危機意識を持っている人は少なく、予防や改善をする人は多くありません。

そこで、今回は生活習慣病とはどれだけ怖い病気かについて解説し、後半にはおすすめの予防法と、予防に青汁がおすすめな理由も解説していきたいと思います。

生活習慣病とは?

かつて「成人病」とも呼ばれていた「生活習慣病」は、その名の通り生活習慣が原因で発症する疾患の総称です。

具体的には栄養の偏りや飲酒、喫煙、ストレスなどによって徐々に健康がむしばまれて最終的には重篤な疾患を引き起こす危険性のあるもので、日本の三大死因とされる「癌」「脳血管疾患」「心疾患」も全て生活習慣病から引き起こされる疾患です。

しかし逆に言えば生活習慣に気をつけていれば予防が可能な病気であるため、かつて死亡原因の多くを占めていた感染症など他の疾患の治療法が確立された現代、厚生労働省ではこの生活習慣病の予防に焦点を当て健診や保健指導、生活指導を推し進めています。

前述の通り、40〜60才の働き盛りの年齢層に多く見られたため、かつては成人病と呼ばれていましたが、加齢が原因で引き起こされるのではなく、生活習慣を改善すれば予防しうる疾患であることと、子供であっても生活習慣に問題があれば発症するものであることから、1997年頃から「生活習慣病」と名称が変更されるようになりました。

実際、生活習慣の乱れや生活習慣の急激な変化などに伴い、成人していない子供にも発症する例が増えています。(参照:e-ヘルスネット「生活習慣病」)

私も生活習慣病になる可能性があるんだ!

40~60才に多く見られるのか。生活習慣病に気をつけないといけないな。

生活習慣病の種類とは?

生活習慣病の中でも日本人の死因の第1位を占めるのが、「癌(悪性腫瘍)」です。癌は細胞分裂を繰り返す過程で遺伝子のコピーエラーが起こりそれが積み重なることで発症します。

このコピーエラーを引き起こす要因となるのが食事や喫煙、アルコールといった生活習慣です。

脳血管疾患」も3大死亡原因の1つで、脳血管疾患を引き起こすのは「動脈硬化」や「高血圧」といった生活習慣病です。

動脈硬化は血管が弾力性を失い固く劣化してしまう疾患で、脂質の多い食事により血中悪玉コレステロールが異常に増え、血管の壁に血栓を作ってしまう「脂質異常症」によって引き起こされます。

また「高血圧」は血液を全身に送る際に血管にかかる圧力が高すぎる症状のことで、これもストレスや塩分の摂り過ぎ、飲酒や喫煙などが要因となります。

これらにより血管に強い負担をかけつづけると血管壁が傷つき血管が詰まってしまうのですが、これが脳で起これば脳血管疾患、心臓で起これば「心筋梗塞」となるのです。

この他、「糖尿病」「痛風」「脂肪肝」、更にはこれらを引き起こす「肥満(メタボリックシンドローム)」そのものも生活習慣病の1つと見なされることがあります。

お父さんはお酒を飲むからお酒に気をつけないとね。

そうだな。いつ心筋梗塞になるのか分からないから気をつけないとな。

生活習慣病を引き起こす原因はなに?

生活習慣病の原因はその名の通り生活習慣からくるものですが、具体的に言うと「食習慣」「運動習慣」「嗜好品の摂取」が挙げられます。

食習慣

食習慣が生活習慣病に大きく関わっていることは、食が欧米化した戦後から罹患率が増え続けていることからも明らかです。

野菜や魚の代わりに肉や卵、乳製品の消費量が増え、ファストフードやコンビニ弁当など糖質や脂肪分の高い食事が好まれるようになり、それらの味に慣らされた結果、濃い味付けでないと物足りなく感じてしまい、塩分や糖質過多となって血圧や血糖値、コレステロール値に悪影響を与えてしまうのです。

運動習慣

運動不足は食習慣の悪さからくる悪影響に拍車をかけてしまいます。

例えば糖質や脂質を摂取したとしても運動すればそれらの栄養素はエネルギーとして消費され体内に蓄積されずに済むのですが、体を動かすことが少なければ摂った糖質や脂質はそのまま体内に残ってしまいます。

運動不足は、単に時折スポーツをしたりジムに通ったりといった習慣がないということではなく、事務職で仕事中ほとんど体を動かさない、通勤や通学、買い物などは全て車を使う、階段ではなく必ずエレベーターやエスカレーターを使う、といった日ごろ何気なく習慣にしていることに起因しています。

嗜好品の摂取

嗜好品の中でも、特にタバコとアルコールは生活習慣病の原因になります。実際、ある調査によると生活習慣による死亡リスクのトップは喫煙となっており、禁煙するだけで生活習慣病のリスクを大幅に下げることができるという意見があるほどです。

喫煙が肺がんや口腔がんの原因となるのは勿論、循環器病や気管支炎、歯周病といった疾患リスクが高まることも分かっています。

更にアルコールによるアルコール性肝疾患や、飲酒時に摂取しやすい塩分や糖分、脂質などがその他の生活習慣病リスクを高めると考えられています。

生活習慣病を予防するためには

放置しておくと重篤な疾患を招き死に至りかねない危険な病気が生活習慣病です。

とは言え、その名の通り良くない生活習慣の積み重ねが原因ですから、食事・運動・睡眠・嗜好品の4つの生活習慣を見直すことで十分予防が可能です。(参照:スマート・ライフ・プロジェクト「生活習慣病を知ろう!」)

食生活

生活習慣病に直結しているのが食習慣です。まず気をつけたいのが動物性脂肪や糖分、塩分の高い食品。動物性脂肪は血液中のコレステロール値を上げ、脂質異常となって血液をドロドロにし血管を詰まりやすくしてしまいます。

動物性脂肪の多い食べ物とは肉類や卵、乳製品などですが、全くこれらを摂らないとたんぱく質不足になってしまいますから、代わりに魚類や大豆製品を選ぶようにしましょう。

特にサンマやイワシなどの青魚に含まれるgHAやEPAはコレステロール値を下げる効果もあって一石二鳥です。コレステロールの高い食品としてはレバーや卵黄、バター、イクラやタラコなどの魚卵、イカやエビなどがあります。

糖分や塩分は肥満や糖尿病、高血圧に繋がることは誰しも知るところでしょう。これらが多く含まれているジャンクフードやスナック菓子には特に注意しましょう。

逆に積極的に取り入れたいのは、食物繊維です。食物繊維にもコレステロール値を下げる作用がありますし、有害物質を排出させ腸内環境を整えるためにも欠かせません。

食物繊維が豊富なのは海藻類や野菜、大豆製品などですが、偏食する傾向のある人は特にこれらの食品が不足しているため意識して摂るようにしましょう。

運動

1週間に500kcal以上を消費する運動を続けている人は、そうでない人と比べて循環器系の疾患による死亡率が低いことが明らかになっています。

生活習慣病予防を意識して運動を行うなら、1週間に150分以上の運動、消費カロリーにして約2000kcalが推奨されており、1週間の運動量の合計がこの数値に達しているのであれば、毎日小分けに運動しても2〜3日のうちに集中して運動しても同等に生活習慣病予防効果を得ることができることも分かっています。

週に2000kcalを消費する運動とは、ウォーキングにして1日1万歩。

現代人は平均して1日あたり7000〜8000歩、歩いていますから、2000〜3000歩余計に歩く必要があり、時間にすると毎日20〜30分余分に歩く計算になります。

とは言え、今まで歩く習慣のなかった人が毎日30分ウォーキングをしようとすると意外に難しく挫折してしまう可能性がありますから、最初は週に3日、慣れてきたら5〜7日と徐々にウォーキングの日を増やしたり、30分間だったものを40〜60分間に増やしていく、といった風に少しずつ体を慣らしていきましょう。大切なのは、継続することです。

睡眠

睡眠とは、脳を休ませ体の疲労を回復させ、内臓や筋肉をメンテナンスし、必要なホルモンを分泌させるといった様々な役割を果たす大切な生活習慣です。

これが不足すると例えばインスリンの働きが悪くなり血糖値が下がりにくくなったり交感神経ばかりが優位になることで血圧が下がらなくなったり、食欲増進ホルモンである「グレリン」が増えて食べ過ぎたりします。つまり、糖尿病や高血圧、肥満などの生活習慣病を招く原因になってしまうのです。

厚生労働省によると1日当たりの推奨睡眠時間は7時間とされていますが、必要な睡眠時間は人それぞれで、要は質の良い睡眠をとることが重要です。

質の良い睡眠かどうかは朝の目覚めがスッキリしているかどうかで分かります。

質の良い睡眠をとる為には体内リズムを作ることが大切ですから、できる限り同じ時間に就寝・同じ時間に起床するようにし、起きたときには太陽の光を浴びるようにしましょう。

朝太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ規則正しいリズムになります。また心地よく眠りにつくために、就寝前は飲食や運動、入浴、コンピューターやスマホの使用なども避けてリラックスタイムを取り、寝具や寝室の環境も心地よいものにするようにしましょう。

飲酒と喫煙を控える

過度の飲酒は肝障害や肝臓がん・口腔がん・咽頭癌などの癌、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症といった生活習慣病のリスクを高めます。

飲酒量としては、純アルコールで1日あたり男性で40g以上、女性で20g以上となっており、これは日本酒1合、ワインなら2杯、ビールなら中瓶1本程度に相当します。

従って、日本酒換算で1日1合まで、週に2日はお酒を飲まない休肝日を設ける必要があります。勿論既に肝疾患などの兆候が出ている人は、飲酒自体を控えなければなりません。

一方、喫煙に関しては「できるだけ控える」ではなく一切禁煙するのがベストです。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素、タールにより血圧上昇、ドロドロ血液とそれによる血行不良と血管損傷、血糖値の上昇などによる高血圧や脂質異常症、糖尿病、そして癌をも引き起こします。

とは言え麻薬と同等の強い依存性をもつタバコですから、禁煙も簡単ではありません。自分の意志ではなかなか禁煙できない人は、ニコチン依存を段階的に改善し最終的にニコチンの摂取量をゼロにする「ニコチン置換療法」を受けると良いかもしれません。

ニコチンガムやニコチンパッチなどを使う方法がこれにあたります。

定期的検査

糖尿病や高血圧症、脂質異常症などは自覚症状に乏しく、気付いた時には重篤な合併症を起こすリスクがあるほど進行していることが殆どです。

ですから早期発見のためにも定期的な検査、健康診断が欠かせません。このため、厚生労働省は職場や地域ごとに年ごとに「特定健康診査・特定保健指導」を行うことを推奨しています。

「特定健診・特定保健指導」は、あらゆる生活習慣病に繋がるメタボリックシンドロームを対象にした健診と生活改善指導です。

対象者は40才以上75才未満の医療保険加入者で、身長・体重・BMI値などの身体計測に加え、血圧測定や検尿、血液検査などを受けることができます。またこれらに加えて必要と認められたなら、心電図や貧血検査、眼底検査なども行われます。

メタボリックシンドロームの診断基準は、腹囲が基準値以上(男性85cm・女性90cm)であり尚且つ血圧・血糖・脂質の検査値が規定以上だった場合に、メタボリックシンドローム該当者あるいはその予備軍とみなされます。

生活習慣病のリスクが高いと判断されると特定保健指導の案内書が送付されますので、是非受診するようにしてください。

青汁で生活習慣病を予防

生活習慣病を予防するためには食事や運動、睡眠、嗜好品といった生活習慣のコントロールが不可欠ですが、これに加えて毎日青汁を飲むと更に予防効果が高まります。

例えば青汁には食物繊維や葉酸、パントテン酸、ビタミンCといった血中の悪玉コレステロールを抑制する効果がある為、脂質異常症を防いで血液をサラサラにしてくれます。

また青汁に含まれるポリフェノールにより血管が丈夫になって動脈硬化を防ぎ、そこから発症する脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な病気を予防することができます。

また食物繊維とポリフェノールには血糖値を下げる効果もあり、加えて桑の葉を配合している青汁であれば桑の葉に含まれる「DNJ」が、ゴーヤを配合している青汁であればゴーヤに含まれる「モモデルシン」が、共に血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防してくれます。

更に、体内の余分なナトリウムを体外へ排出させる働きをするカリウムも豊富ですし、明日葉を配合した青汁であれば「カルコン」という成分も摂取できるため、これも高血圧の予防に非常に効果的です。

加えて青汁は低カロリーで、そこに含まれる食物繊維がカロリーの吸収を抑え体内で膨らんで満腹感を与えてくれるため、食べ過ぎを防いで肥満を予防する効果も期待できます。

生活習慣を改善しつつ青汁も飲むといいのね!

桑の葉か、ゴーヤが入っている青汁を飲めば良いのか簡単だな。

まとめ

癌や心疾患、脳血管疾患という日本人の3大死亡原因を含め、糖尿病や高血圧、脂質異常なども全て、生活習慣が原因となっている「生活習慣病」です。

死に至るほどの危険な病気の引き金となる疾患でありながら、初期段階では自覚症状がないのも生活習慣病の厄介なところです。

そのため普段から食事と運動、睡眠の習慣に注意を払い、タバコやお酒などの嗜好品の摂取を控えることが大切で、加えて早期発見を目的に定期的な健診を受けることも欠かせません。

また、正しい生活習慣と共に青汁も取り入れると尚効果的です。そもそも生活習慣病のリスクの高い人というのは栄養が偏りがちで、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足している傾向にあります。

ビタミンは脂質や糖質を体内に溜めこまずエネルギーに変える代謝酵素をサポートする補酵素の働きをしますし、食物繊維やミネラルは体内の余分な老廃物を排出させ血液をサラサラにする働きをします。

これら生活習慣病予防の強い味方になってくれる栄養素の多くは野菜類に含まれており、青汁はその野菜の栄養素をギュッと濃縮した健康飲料なのです。

普段の食生活ではどうしても野菜不足になりがちという人、野菜料理は苦手という人は、青汁で効率的に野菜の栄養不足を解消し生活習慣病を予防するようにしましょう。

  • 生活習慣病とは、名前どおり生活習慣が原因で発症する病気
  • 元々は40~60才の人に多く見られたが、近年では成人していない子どもも発症している
  • 生活習慣病の中でも日本人の死因の第1位を占めるのが「癌(悪性腫瘍)」
  • 原因は「食習慣」「運動習慣」「嗜好品の摂取」が挙げられる
  • 予防するためには「食事」「運動」「睡眠」「嗜好品の摂取」を見直すことが大切
  • 4つの予防に加えて、青汁も飲むとさらに予防効果に期待できる
  • おすすめの青汁は「桑の葉」もしくは「ゴーヤ」が含まれたもの