「脳梗塞」一度は聞いたことがあると思います。聞いたことはあるけど、めったに起きない病気だというイメージをする方も多いのではないでしょうか。

実は脳梗塞は、日本人の3大死亡原因の一つ「脳卒中」に含まれているのです。つまり、それほど脳梗塞になる人は多く、予防も大切になってきます。

その予防には「青汁」がおすすめなんですが、脳梗塞の解説をして、おすすめの理由を解説します。

脳梗塞とは

癌や心疾患と並んで日本人の3大死亡原因となっている脳卒中は、頭の血管が詰まったり切れたりすることで起こる疾患で、脳梗塞はこの1つに含まれます。

脳梗塞の「梗塞」とは「ものが詰まって流れなくなる」という意味で、血液の流れに関していえば血管のうちのある部分に障害が起こり血液の流れが止まってしまうことを指しています。

これが脳の血管で起こることから「脳梗塞」と呼ばれています。この血液の流れを妨げる血管の「詰まり」の犯人は主に血栓と呼ばれる血の塊のことで、この血栓により血液が流れてこなくなると必要な酸素や栄養素を得ることができなくなり細胞が死んでしまいます。

脳梗塞によって死んでしまった部分は手術によっても取り戻すことができません。つまり一度失われると二度とその部分が司っていた機能をよみがえらせることはできないのです。このため命は助かっても運動麻痺や言語障害などの重篤な後遺症が残ってしまうのです。

脳卒中の中でも脳梗塞は死亡原因の約60%を占めており、現在寝たきりの原因の約30%、日本における年間医療費の約10%を占めるのがこの脳梗塞です。そのため医療面でも福祉面でも大きな課題となっています。

手術をしても死んでしまった部分は治らないのか…。

脳卒中の中で脳梗塞は死亡原因の60%とは怖いのう。

脳梗塞の原因

脳梗塞はいずれも脳の血管が詰まって起こる疾患ですが、その詰まりの原因やどの部分で詰まっているのかによって以下の3つに分類されています。

  • ラクナ梗塞
  • アテローム血栓性脳梗塞
  • 心原性脳梗栓症

ラクナ梗塞

1つは「ラクナ梗塞」と呼ばれるもので、かつては脳梗塞の中でも最も罹患率の高いタイプでしたが、近年は減少傾向にあります。「ラクナ」とは「小さなくぼみ」という意味です。

脳へ入った太い血管は細い血管へと枝分かれしていくのですが、その細い血管部分で血管壁が分厚くなるため血管が狭くなって詰まってしまっている状態です。

脳梗塞の大きさが1.5cm未満のものが該当し、脳の中心あたりに発症します。原因は主に高血圧と考えられています。

アテローム血栓性脳梗塞

「アテローム血栓性脳梗塞」は頭蓋外の、あるいは頭の中の比較的太い動脈に発症する脳梗塞で、「アテローム」とは動脈硬化のことです。

太い血管内に動脈硬化ができ狭くなった状態で血栓が詰まって塞がってしまった場合と、動脈硬化が血管壁から剥がれ落ちてできた血栓が血流に乗って頭の血管に達しそこで詰まってしまう場合とがあります。

その名の通り動脈硬化が直接の原因ですが、動脈硬化を引き起こす糖尿病や脂質異常症、喫煙などがその大元の原因とも言えます。

心原性脳梗栓症

「心原性脳梗栓症」は、同じく脳の太い血管に血栓が詰まることで起こりますが、心臓でできた血栓が血流にのって脳血管にまで飛ばされた場合をこう呼びます。

心臓で血栓ができる原因として最も多いのは心房細動(不整脈)で、不整脈のせいで心臓の動きが悪くなると血流が滞り心臓内で血液が固まってしまいます。

こうしてできた血栓が脳血管に到達するわけです。心房細動の他には、心筋梗塞や心臓弁膜症といった心臓疾患も心原性脳梗栓症の原因となります。

この他、ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞の中間である「BAD」や、悪性腫瘍の遠隔作用とされる「Trousseau症候群」、血液凝固異常、動脈解離、静脈梗塞、血管炎なども脳梗塞の原因として挙げられています。

脳梗塞による症状

脳梗塞は、脳血管のうちのどの部分で起こったかによって失われる機能が異なる為、現れる症状も違ってきます。しかしいずれの場合も突然症状が現れ、その時間帯もハッキリしていることが殆どです。(参照:国立循環器研究センター「脳梗塞が起こったら」)

例えば朝目覚めたときや夜中にトイレに起きたとき、昼間の活動時などで、最初のうちは軽度である為様子を見ているうちにどんどん悪化したり他の症状が現れたりし、最終的には重篤な症状となって元に戻らなくなります。

従って、脳梗塞の疑いがあると思ったその時点で早期に検査を受ける必要があります。

脳梗塞の症状として最も多いのが、体の半身だけ上手く動かないという運動障害です。つまり体の右半分かあるいは左半分だけ、その腕や脚に脱力感や重い感じ、不器用さ、しびれを感じ、ひどくなると麻痺をおこしてしまうのです。

脳において手への指令を出す細胞と足へ指令を出す細胞とは隣接しているため、脳梗塞の障害は手足の両方に似たような症状が現れることがほとんどで、更に左右どちらか同じ側の顔にまで症状が見られれば、脳梗塞の疑いは濃厚となります。

次に多いのは言語障害で、喉や舌に感覚障害や麻痺が起こって発声機能に障害が起こることで現れる症状です。構音障害と呼ばれるろれつが回らなくなる症状や、失語症と呼ばれる言葉が理解できない・言いたいことが言えないといった症状が主なもので、これは大半の人の場合左大脳半球に存在するとされる言語中枢が壊死することで起こります。

他の症状としては、左右のうち片目だけが一時的に見えなくなる視野障害も代表的で、片目だけ塞がれたようになるためしばしば「カーテンが下がる」と表現されることがあります。これは後頭葉に血液を送る後大脳動脈が塞がれることで起こります。

小脳に脳梗塞が起これば平衡感覚に障害が出て歩くときによろめいたりつまづいたりして真っすぐに歩けなくなりますし、脳幹の覚醒系統や大脳皮質に障害が起これば意識障害が起こります。

例えば突然半身麻痺を発症したなど脳梗塞として分かりやすい症状の場合もありますが、前述の通り初期のうちは比較的軽度で専門家でも症状を聞いただけでは脳梗塞かどうかの判断が付きにくいこともあります。

従って実際にMRI等で脳血管に梗塞がないかどうかを確認しなければならず、逆に言えば、症状がなくてもMRI等で所見が認められれば脳梗塞と診断されます。

様子を見ているうちに悪化していくとは、気をつけないといけないな。

じゃが、初期のうちは脳梗塞かどうか判断しづらいのでは気をつけるのも難しいのう。

脳梗塞の治療法とは

脳梗塞は早期治療が鍵で、発症後4.5時間以内であればまず「経静脈血栓溶解療法(t-PA治療)」を行います。これは「t-PA」という薬剤を静脈注射によって投入し、詰まっている血栓や塞栓を直接溶かして血管を再開通させる方法です。

血管が再開通すれば再び脳に血液が送られますから、脳梗塞の後遺症も最小限に抑えることができるとして、現在主要な治療法とみなされています。

発症後4.5時間以上6時間以内の患者に対しては、動脈にカテーテルを入れて閉塞部近くまで進み、そこに「ウロキナーゼ」という血栓溶解剤を注入する「動脈内血栓溶解療法」が取られます。

ただしこれも来院時の症状がそれほど重篤でない場合でt-PA投与不可と判断された場合に限ります。

血栓溶解法が行えない場合や治療効果が見られない場合で、発症後8時間以内であれば、「血管内治療」という処置がとられます。

これは血栓自体を手術によって取り除く方法で、現在では栓抜きのような形をしたワイヤーで血栓を絡めとる「メルシーリトリーバー」と、血栓をポンプで吸い取る「ペナンブラシステム」の2つの方法があります。

更に、症状の進行や再発を防ぐ目的で、保存療法として「抗血栓療法」が行われることもあります。動脈硬化が原因で起こる脳梗塞では抗血小板薬や抗トロンビン薬を、心原性であれば抗凝固薬を投与します。

血栓溶解療法や血管内治療が不可とされた場合にもこの処置がとられます。

後遺症が認められる場合には、治療後に機能回復を目的にリハビリを行います。リハビリには理学療法や作業療法、言語療法といったものがあります。

時間によって手術内容が変わってくるんだな!

後遺症が認められたらリハビリをするのか。

脳梗塞の予防に期待ができる青汁

既に何度も触れた通り、脳梗塞の主な原因は動脈硬化による血栓です。

動脈硬化は糖尿病や高脂血症、高血圧などにより血管に慢性的な負担がかかって徐々に硬化していく病気ですから、つまりこれらの生活習慣病を予防することでひいては脳梗塞を予防することができるということになります。

糖尿病や高血圧などの生活習慣病はその名の通り生活習慣、特に食習慣を改善することで十分に予防が可能です。(参照:総合南東北病院「脳梗塞を防ぐ生活」)

食べ過ぎを避け特に糖分や塩分、脂質の多い食べ物に注意することは勿論ですが、加えて生活習慣病を予防してくれる効果のある栄養素を積極的に摂るようにしましょう。

例えば食物繊維もそのひとつです。食物繊維はコレステロールを吸着して体外へと排出する働きや糖分の吸収を緩やかにする作用、また塩分の排出を促す作用もあり、高脂血症や糖尿病、高血圧の予防となります。

またビタミン類の強い抗酸化作用が過酸化脂質の発生を抑えそれによってできる血管内の隆起(プラーク)を抑制することができますし、セレンやカリウムなどのミネラルも動脈硬化予防に必須の栄養素です。

これらの栄養素を豊富に含んでいるのは野菜類ですが、野菜の栄養素を効率的に摂取できるのは、やっぱり青汁でしょう。青汁が持つ高い栄養価は美容や健康に良いことで有名ですが、脳梗塞にも大きな効果を発揮してくれるのです。

青汁を飲んで血液をさらさらにしないとな!

脳梗塞の予防にも青汁が期待できるとは凄いのう。

ワーファリン(ワルファリン)を服用している方は注意

このように脳梗塞の予防としての青汁は非常に効果的なのですが、既に脳梗塞を患い治療薬として「ワーファリン」が処方されている人に関しては、青汁はお勧めできません。

ワーファリンとは血液抗凝固剤、つまり血液が固まるのを防ぐ薬で、脳梗塞は血流が滞ることで起こる疾患ですから血液をサラサラにして流れやすくすることで予防しようという目的にかなった薬である為に、脳梗塞患者に対して処方されることがあります。

一方ビタミン類が豊富な青汁はそれ故に脳梗塞予防にも良いと言われているのですが、その中にはワーファリンと正反対の働きをするビタミンKも含まれています。

ビタミンKには血液を凝固させる作用がありこれにより出血しても自然と止血されるのですが、抗凝固剤であるワーファリンとは正反対の作用があるので、同時に摂取した場合せっかくのワーファリンの効果を打ち消してしまうのです。

ビタミンKは青汁以外にも納豆や豆類、海藻類、緑黄野菜などに多く含まれています。

特に納豆は少量でも腸内でビタミンKを生成する食品なので、ワーファリン服用時には食べないようにと指示されているはずです。また他の健康食品を食べる際にも事前に主治医に相談するようにしましょう。

まとめ

日本人の死亡原因のトップクラスに位置する脳梗塞。脳梗塞とは脳の血管のある部分で血栓ができて詰まってしまい、そこから先に血液が流れなくなることでその部分が壊死し機能しなくなる病気です。

従って例え一命をとりとめても壊死した部分の機能は取り戻すことができず、例えば言語障害が残ったり半身不随になったりなど、重篤な後遺症が残りその後の生活は介護を余儀なくされてしまいます。

しかし一方で脳梗塞は生活習慣病の1つと見なされており、血栓を作ってしまう動脈硬化、そして動脈硬化に繋がる糖尿病や高血圧、高脂血症といった生活習慣病が原因であるため、生活習慣を正すことで十分に予防が可能な病気でもあります。

特に気をつけたいのが食習慣です。生活習慣病の原因となる脂質や糖分、塩分の多い食事を控えることは勿論、血液をサラサラにして血管を丈夫にし、血圧を下げる効果のある栄養素を積極的に取り入れることが必要です。

具体的にはビタミン類やカリウムやセレンなどのミネラル、食物繊維などが挙げられます。そして、これらを多く含む野菜を毎日しっかり摂りたいなら、青汁がおすすめです。

青汁なら1杯の中にこれらの栄養素がギュッと凝縮されていますから、野菜料理をアレコレ考えなくても簡単に栄養不足を補えます。

ただし、既に脳梗塞の治療薬としてワーファリンを服用している人は、青汁の使用に注意してください。

  • 脳梗塞とは血液の流れを止めてしまう病気
  • 脳梗塞によって死んだ部分は治らない
  • 脳梗塞が起きる原因は種類によって違う
  • 脳梗塞になると体半分が麻痺したり、言語障害に陥る
  • 脳梗塞の予防には生活習慣病の予防が大切
  • 生活習慣病の予防には栄養豊富な青汁がおすすめ
  • ワーファリンを服用している方はビタミンKに気をつける