「動脈硬化」とは放置して悪化するまで自覚症状はなく気づきにくい病気です。この病気は気づいたときには手遅れになってる可能性があり、予防することがとても重要になってきます。

主な予防方法は3つあるのですが、その中でおすすめなのが「青汁」です。そこで今回は動脈硬化の予防の大切さを知ってもらうために動脈硬化について解説し、おすすめの予防法を解説していきます。

動脈硬化とは?

心筋梗塞や脳卒中などの命にかかわる重篤な疾患の原因となるのが「動脈硬化」です。「動脈硬化」とはその名の通り「動脈が固くなること」。

そもそも動脈は単に血液が流れるパイプというだけでなく必要に応じて心臓に血液を押し戻すなどポンプのような働きもするため、非常にしなやかで血圧にも耐えられる弾力性を持っています。しかし、この弾力性が失われてしまい固くなった状態を動脈硬化と呼ぶのです。

内皮細胞は本来血液に乗って流れてくる様々な成分のうち必要なものだけを取り込み他の成分は入り込まないようにするフィルターのような役目も担っているのですが、この機能に障害が起きると血液中の白血球が内皮細胞にくっつき、内部に潜り込んで「マクロファージ」という状態に変化します。

このマクロファージが更に血液中の脂質を取り込んで徐々に静脈壁の内膜を厚くしておかゆのような状態になります。これを「粥腫」と呼びますが、この粥腫が壊れると「血栓」となり、血管を塞いで心筋梗塞や脳卒中を引き起こすというわけです。(参照:日本成人病予防協会「動脈硬化とは」)

動脈硬化が命に関わるとは思わなかったな。

それで心筋梗塞や脳卒中を引き起こすなんて怖いわね。

動脈硬化の原因とは?

動脈硬化の直接の原因である血管内の脂肪沈着は実は子供の頃から始まり、気をつけていても50〜60歳になるころには血管の内側で「脂肪斑」として盛り上がって血管が狭くなっています。

つまり加齢という避け得ない原因もあるのですが、「生活習慣病」と呼ばれるように生活習慣に原因があって動脈硬化の発症率を加速度的に早め、高めているケースがほとんどです。

動脈硬化の原因となる生活習慣病の1つが、「高血圧」です。高血圧と言えば塩分の摂り過ぎや肥満で起こる生活習慣病ということは周知の事実ですが、これにより心臓が血液を送り出す際に血管にかかる圧力が高すぎると、血管壁に負担がかかり内皮細胞が傷ついてしまいます。(参照:循環器病情報サービス「動脈硬化」)

糖尿病も同様に、血液内の糖が多くなることで血液がドロドロになり内皮細胞を傷つける原因となります。こうして内皮細胞が傷つくと、細胞同士の隙間が広がりフィルターの役割を果たせなくなってしまいます。

ここに血液中の脂質(悪玉コレステロール)が多すぎる「高脂血症」が加わると、血液内の脂質が内皮細胞の内側にどんどん入り込んで、コレステロールの塊を作ります。

このコレステロールの塊がこびりつくと、静脈の持つしなやかさが失われ、動脈硬化となるのです。

動脈硬化の症状

動脈硬化とは動脈が固くなった状態を指す病理学用語で、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれることがあるように、動脈硬化それ自体は初期・中期で特に自覚症状がなく、放置して悪化させたときに突然脳卒中を起こすなど重篤な事態に陥る、非常に危険な疾患と言えます。

動脈硬化がある程度進行した場合、血液の流れが悪くなることから何らかの症状を感じることがあります。例えば手足の冷えがあります。

これは抹消の血管への血流が滞ることで起こるもので、単なる冷え性の場合もあるので分かりづらいのですが、ひどくなってくると冷えだけでなくしびれや痛みまで感じるようになります。

歩行中にしびれるような痛みを感じて歩けなくなる「間歇性跛行」もこの1つで、このような症状を放置しておくと心筋梗塞などを引き起こして死に至る危険性があります。

また脳の血管に動脈硬化が見られる場合、脳への血流が滞ることから耳鳴りや眩暈、立ちくらみ、意識障害などが起こります。これは脳梗塞の前兆となるため注意が必要です。

更に目の毛細血管に動脈硬化が起こると、目の充血やクマとなって症状が現れ始めます。血行が悪くなるので酸素や栄養素がきちんと届かないことから目の機能が低下し、眼精疲労や視力低下につながることもあります。

放置すると目の奥が腫れたり視野の一部が欠けたり、ひどい場合には失明することさえあります。

動脈硬化の症状がでやすいのは脳や心臓、足なのですが、太い血管から毛細血管に至るまであらゆるところで発症する可能性があるため、実際には関係ないと思っていた症状が実は動脈硬化のサインだったということも珍しくありません。

初期症状に気づけないなんて怖いな…。

そうね。放置して悪化させたら突然重篤な病気になるなら予防しないといけないわね。

動脈硬化の治療法

動脈硬化によって脳梗塞などを発症したら、まずはその治療から行いますが、定期検診などから動脈硬化と判断された場合には、それ自体は病気ではないのでまずは食事療法と運動療法で改善を試みることになります。

食事療法の基本は高脂血症対策です。つまり悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やす食事を摂ることで、動物性脂肪の代わりに大豆や魚を中心とし野菜や海藻類を積極的に摂る食生活に変えるよう指示されます。

また糖分や塩分の多い食事を控え、糖尿病や高血圧によって血管に負担をかけることのないよう予防します。また肥満の改善と防止ために腹八分目が勧められます。

運動療法では週3回以上1回30分以上の有酸素運動をするよう指示されます。特に「脚は第二の心臓」と呼ばれるように動かすことで血流量を補おうとして新しい血管を作ろうとします。

つまり代謝が活発になり血管が新しく生まれ変わる為、動脈硬化の改善には効果的です。従ってウォーキングやジョギングなどの脚を動かす運動が勧められるでしょう。

食事と運動に加え、タバコを吸う人であれば禁煙も必須となります。

食事と運動で改善できない場合は薬物療法

食事療法や運動療法でも改善が見られない場合には、薬物療法がとられます。例えば高血圧が動脈硬化の危険因子となっているなら降圧薬が処方されますし、糖尿病が問題であれば血糖を下げる薬が処方されます。

また血栓の生成を防ぐ目的で抗凝固薬が投与されることもあります。注射薬では「ヘパリン」が代表的ですが、内服薬では現在日本では「ワーファリン」だけが認可されています。

いずれにしても医師の指導の下に行わなければなりませんし、薬物療法と並行して食事療法と運動療法も続けていかなければなりません。

動脈硬化の予防法とは?

動脈硬化の3大危険因子は高血圧・高脂血症・喫煙と言われており、つまりこれらを予防できれば、ひいては動脈硬化の予防になると考えられます。そしてこれらはいずれも自分でコントロールが可能なものばかりです。

食生活の改善

動脈硬化の治療法と同様、予防も食生活の改善が鍵になります。

まず避けたい食品としては、悪玉コレステロールを増やしてしまう動物性脂肪、例えばバラ肉やひき肉、ベーコン、チーズや生クリーム、バターやラードなどが挙げられます。

高血圧の原因として知られる塩分にも注意が必要で、1日の塩分摂取目安量は男性で8g以下、女性で7g以下。例えばラーメン1杯で8gほどの塩分を含んでいますから、汁を残すなどしてコントロールすると良いでしょう。

逆に動脈硬化予防の為に積極的に摂りたい食品としては、まず野菜類が挙げられます。

野菜類には豊富なビタミンやポリフェノールが含まれており、その強力な抗酸化作用が血管内で悪玉コレステロールが酸化するのを防いでくれます。つまり動脈硬化に直接的な効果を発揮してくれるのです。

また大豆製品には心筋梗塞の予防効果を持つと言われる女性ホルモンと似た構造をとるイソフラボンが豊富ですし、キノコや海藻類、玄米や雑穀などにも食物繊維やミネラルが豊富に含まれ、血糖値の上昇や脂質の吸収を抑えてくれる働きがあります。

ダイエットで肥満解消

肥満が動脈硬化の危険因子に挙げられているのは、肥満した人つまり内臓脂肪が多すぎる人(メタボリックシンドローム)は高血圧症や高脂血症、糖尿病になりやすくそこから動脈硬化が始まるとされるからです。

それでまずは肥満の基準値に達しているかどうかを調べましょう。

肥満の程度を示す指標BMIの計算式は「体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]で、この計算結果が19.8〜24.2なら正常範囲、24.2〜26.4は過多体重、26.4以上だと肥満となります。

BMI値が過多体重や肥満を指しているのであれば、適度なダイエットで肥満を解消し動脈硬化を予防しましょう。ダイエットの基本と言えば食事と運動。リバウンドしにくい減量スピードは、1ヶ月に-1〜2kgと言われています。

1kgの脂肪を燃焼させるためには食事量7200kcalをマイナスにするか運動によって消費しなければなりませんから、仮に2kg減らしたいなら14400kcalのマイナス、これを1ヶ月で割ると1日当たり約480kcal。

普段の食事から480kcal分一気に減らすのは辛いですから、運動と組み合わせてトータルでマイナス480kcalになるようにしましょう。特にジョギングや水泳などの有酸素運動は内臓脂肪を燃焼しやすいのでおすすめです。

EPAを含んだ青魚を食べる

日本人の生活習慣病罹患率が急激に増加した主な理由は、食の欧米化と言われています。つまり魚より鶏肉獣類を多く摂取するようになったためです。

ところが北極圏に暮らすイヌイット族は同じ肉食中心の生活でありながら動脈硬化やそこから発症する心疾患の発症率が非常に低いことが分かっています。

これは何故かというと、同じ肉食でもEPAを多く含むアザラシやクジラを主食としているからであり、このEPAこそが動脈硬化予防に効果的であることが明らかになりました。

EPA(多価不飽和脂肪酸)とは人が体内で自ら作り出すことのできない必須脂肪酸で、前述のアザラシやクジラ、また青魚の脂に多く含まれている栄養素です。

EPAの大きな特徴は、鶏肉獣類の脂とは異なり温度が低くても固まりにくいという点で、これは血液内に入っても同様であるため、血液をサラサラの状態に保つことができるのです。そのうえ血中コレステロールや中性脂肪を減少させる作用もあります。

このEPAの1日当たりの摂取推奨量は1gとされており、これは青魚100g中に含まれるEPAとほぼ同じ量にあたります。1日に鯵1身、サバ1切れ程度食べると良いでしょう。

動脈硬化の予防には青汁がおすすめ!

「食習慣の改善」でも触れた通り、動脈硬化を予防する代表的な食品は、野菜類です。

特に葉野菜には強力な抗酸化作用を持つビタミンA、E、Cやポリフェノール、コレステロールを吸着して体外に排出させる葉緑素や食物繊維、血液の材料となる鉄分や葉酸、塩分を排出させるカリウムといった栄養素を豊富に含んでいるため、毎日意識して摂取していきたい食品です。

そこでお勧めなのが、青汁です。

野菜、特に葉野菜は意識して摂ろうと思ってもどうしても不足しがちになりますし、中には栄養価は高いのに味やニオイに癖があり料理としては取り入れにくい野菜もあります。

ケールはその代表的なもので、前述の栄養素が他の野菜と比べても非常に多く含まれているだけでなく、内臓脂肪の蓄積を防ぎ高い抗酸化力を発揮する「イソチオシアネート」や体内の余分な塩分を排出させる「gABA」といった特有の栄養素も含んでいます。

青汁はケールや大麦若葉、明日葉、桑の葉など動脈硬化予防効果の高い葉野菜を主原料に用い、かつできるだけ飲みやすいように工夫していますから、1日1〜3杯ほど飲むだけで必要な栄養素をしっかり補給できるのです。

青汁を飲むだけで食習慣の改善ができるなら、簡単でいいな!

ケールや大麦若葉、明日葉、桑の葉が入った青汁が良いみたいね。

まとめ

血管の内皮細胞が高血圧や高血糖、高脂血症などによって傷つき、そこからコレステロールが入り込んで付着・蓄積することで動脈が弾力を失い固くなってしまった状態が、「動脈硬化」。

また蓄積したコレステロールの塊が剥がれ落ちると血栓となり、血管に蓋をして血流を止めてしまう為、心筋梗塞や脳卒中などの極めて重篤な疾患を引き起こしてしまいます。

動脈硬化の原因には加齢や性別(男性であること)といった避けがたいものもあるのですが、それ以上に危険因子となるのは「高血圧」「高脂血症」「糖尿病」「喫煙」といった生活習慣に起因するもので、これゆえに動脈硬化も生活習慣病の1つとされているのです。

従って、生活習慣を改めれば動脈硬化を予防することは十分に可能です。基本は食事と運動、またそれによる肥満予防・解消で、勿論喫煙者であれば禁煙も必須となります。

特に食事においては、動物性脂肪や糖分・塩分の高い食品を避け、代わりに動脈硬化予防効果が高いと言われる青魚の脂・EPAや、抗酸化作用の高いビタミンやポリフェノール、コレステロールを排出させる作用のある食物繊維をタップリ含んだ野菜類などを積極的に摂るようにしましょう。

これら動脈硬化予防効果の高い栄養素を毎日しっかり、しかも効率的に摂りたいなら、青汁がおすすめです。青汁なら食事前などに一杯飲むだけで良いので、毎日忙しい人にもピッタリです。

  • 動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中など命にかかわる疾患の原因になる
  • 動脈硬化の原因は生活習慣病の一つ「高血圧」
  • 動脈硬化自体は初期・中期で特に自覚症状がない
  • 放置して悪化させると突然脳卒中などを引き起こす
  • 予防には「食生活改善」「肥満解消」「EPAを含んだ魚を食べる」の3つがある
  • 食生活改善には青汁がおすすめ
  • ケールや大麦若葉、明日葉、桑の葉などが特に予防に期待できる